子どもを成長させる魔法の薬

子ども

 子どもに近い位置で仕事がしたいとの想いで1年半強勤めたトイザらス。どこにいるかわからない大人の助けを得られにくい子を助けたいという想いで7年半務めた教員という仕事。そして、今の仕事に就いて1年半以上が経つ。我が子以外にもたくさんの子どもを見てきた。そんな僕は子どもたちが『成長する』条件をかなり考えてきたが、最近一つの要素に辿り着いた。それがタイトルにも表わした『子どもを成長させる魔法の薬』だ。
 この薬は生まれてすぐから必要になり、特に小学生くらいまでの時期にいかにこれを使ったかによってその後の人生の時間の使い方やマインドを大きく変えてくれる。

 その薬とは、『暇な時間が作り出した自発的な遊び』だ。
 僕は『暇である。』ということが子どもの成長を大きく支える要素になるのでは無いかとよく思っている。一方では「子どもには体験、経験が役に立つよ。」と言っておいて『暇』が人を育てるとはどういうことか?と思われるかもしれないが、結構確信に近いレベルまで本気で思っている。

 子どもは『暇』で成長していく。今日はその理由をもう少し詳しく書いていこうと思う。

暇が成長につながる理由その1:自分の興味がわかる

 僕は初めて会った子どもにはたいてい聞くことがある。「普段何してる?」という質問である。もちろんそこから本人の興味や話すきっかけを探しているのだが、そこで何が出て来るかで中学生以降の学業が上手くいくかどうかが何となく想像が出来るようになってきた。ぐんぐん成長する子はみんな「普段何している?」という言葉にはっきりと答えが返ってくる。つまり、自分が何に興味があって、自分がどんなことに時間を使っているか明確に意識している子だということだ。僕が動画を見ることやゲームをすることが一方的に良くないとは思わない理由がここにあるのかもしれない。自分の興味がはっきりわかっている子は強い。
 なぜなら、とことん好きなことに対してなら子どもはみんな『研究者』のような視点を持っていることが多いからだ。『なぜ好きか?』『どこが好きか?』『どんなところが魅力なのか?』を深掘りしていけば必ず本人なりの『理由』を持っている。逆に同じ行動でも動画やゲームに時間を奪われているだけの子はちょっと違った答えが返ってくる。というより、ほとんど答えが返って来ない。つまり『逃避』だ。現実が自分のキャパを越えるほどの忙しさになった時、別にそこまで好きでもないものに『時間』を使うのだ。データと言えるほど理詰めに追いかけていないが感覚的には自信があると感じるほど共通している気がする。

暇が成長につながる理由その2:思考する必然性が生まれる

 先ほどの話とも通じることではあるのだが、『暇な時間』を与えた子どもたちは必ずそれを『埋めよう』と何かを始める。もちろん、これが実現できない環境にいる子はそうではない。僕の仕事場には多くの『暇も待て余した子どもたち』が溢れているのだが、『暇をきちんと与えられている子』は突然勉強を始める。これは嘘では無い。少なくともこの夏休み5~6人の子どもに見られる現象だ。
 逆に大量の宿題を与えられたり、受験に向き合い膨大なタスクがある子の方が勉強から離れて行こうとする子が多い。勉強をしない中学生の逃げ道はほとんどがスマホだが、これも面白いものでそれを覚えた子どもは『寝る』か『ダラダラと何をするでも無い時間を過ごす』かのどれかだ。明確に何をすると答えられない時間だ。
 暇を操れるようになった子どもたちは、「あぁ暇。」と嘆きながらいつも何かを探している。読書をしてみる。ボードゲームをしてみる。公園に行ってみる。絵を描いてみる。折り紙をしてみる。漫画を読んでみる。常に自分をどうすれば良い状態に持っていけるかを知っている。すると、1周回って自分の出来ることを終えるとまたなぜか『勉強』をし始める。たいていは「おっまた勉強してるやん。」と声を掛けると「うん。暇だから。」気付けば主体的に学習に取り組む子になっているのである。暇だからこそ自分に必要なことを『思考』するのかもしれない。

暇が成長につながる理由その3:時間の使い方が上手くなる

 1周回って現象を経験した子は、自分の興味がはっきりしている分、『コト』に対する意識が明確な印象がある。『自分に必要だからやりたいこと』『自分に必要ないけどやりたいこと』『自分に必要だけどやりたくないこと』『自分に必要も無いしやりたくもないこと』というような整理が頭の中でついていることが多いのである。暇がきちんと与えられていないとどうなるか?この整理の段階で『自分に必要も無いしやりたくもないこと』に追いやろうとしている。別にズルでも、何でも無くて時間の無さ故、深い思考が出来ずに結果的に『やりたいこと』の時間を捻出するための一手としてそうするのだと思う。暇な時間をきちんと持ち合わせた子は『興味がはっきりとしている』からこそ、この辺りに向き合うことができ、『自分に必要だけどやりたくないこと』をいかにコンパクトにすることに工夫が生まれたりもするわけだ。

子どものSOSを受け入れる場所としてのMy Place

 My Placeを残念ながら離れることになった子どもたちの『理由』のほぼ全てが「成績が上がらない」というものだ。
 多くの大人は「この子は全部言わないとやらないんです。」「厳しく接しないとやらないんです。」という。将来の見えないこの世の中と忙しすぎる大人たちの作る現代社会を見ていると気持ちは痛いほどよくわかる。こうした文化が当たり前になっていると今度はその子どもを預かる学校も『厳しく接してやらしてくれた先生』が優秀な先生となってくる。僕もきっと最初はそうだったのかもしれない。子どものために子どもを変えるのでは無く、大人のために子どもを変えているように見せていたのかもしれない。

 ただ、『勉強を教えてくれる場所』はいくらでも世の中に溢れている。僕の住んでいる校区にも数件多様な『学習塾』が存在している。そのニーズはこの地域に溢れているのだ。だが、僕はこの社会の中で『子どものSOSを受け入れる場所』としての教育施設を目指してMy Placeを育てている。
 うちの施設には『学校文化』や『教育文化』に疲弊し、ボロボロになった子たちも多く来ている。そんな子たちに『大丈夫!未来は明るい!一緒に楽しく生きようぜ!』と伝えてもなかなかすぐには上手くいかない。理由は簡単だ。みんな『忙しさ』に押し潰されそうになっているからだ。
 でも、僕は誰にとっても『子ども時代にとことん『暇』を乗りこなした子の方が伸びる。』ということは伝え続けていきたい。僕にはまだまだ博が無い。僕みたいな人間が伝えてもほとんどの言葉が空を切るのはわかっている。だけど、まだまだ今の仕事を始めて2年も経っていない。いつか社会にも伝わる日が来るはずだ。それを支えるような学習支援。不登校支援。通信制高校。を育てていこうと思う。

 実を言うと最近、ブログを通して交流が生まれた人。オンライン教材すららを通して交流が生まれた人がポツポツと増えだしている。地域に求める人がいなくなってもきっと『社会』にはまだある。オンライン教材すららやインターネットがあれば全国どこの子どもや家族、先生も救える可能性が高い。そのための『仲間集め』『お金集め』はいつか目の前の子どもを救える場所としてのMy Placeを作る基礎になってくると思う。僕らの野望はめちゃくちゃデカい。今目の前にある数十点を上げるために子どもをズタズタにする指導は僕にはやっぱり出来ない。甘いと言われるかもしれないが僕はそういう人間なんだと思う。

 さぁ、今日も流れる雲の速さに気を取られながら一歩進めようとやってきた子どもたちと過ごしてみようと思う。

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