4月。新年度。新学期。
僕は結構この4月が嫌いだった。何だかワクワクするような気持ちで始める4月だが、環境の変化が苦手な僕はこの4月にとんでもなくリズムを崩すのだ。もちろん、新しいクラスや学年にワクワクした気持ちが無いわけではない。でも、この変化が毎年憂鬱だった。教師時代、毎年この憂鬱の気持ちを抑えながら「さぁ、今年も楽しもうぜ!!」と張り切った顔をするのがとても疲れていた。4月の休日はあっという間に過ぎ去り、あっという間のゴールデンウィークだったよなぁと今振り返るとのんびり感じることが出来る。
今の僕の仕事は毎年見えている世界は変わっていくけれど、全然憂鬱な気持ちはない。ドキドキ、ソワソワの子どもたちを眺めて「頑張れ!ゆっくり行こうぜ!」励ますのが今の僕の仕事だ。
今日僕は新しく共に過ごすこととなる子どもを小学校まで迎えに行くことから仕事が始まった。久々の一人での散歩をしながらのんびり聴いた曲がこの曲だった。
音楽を聴きながら4月を迎えた今日。何となく落ち着いて自分の軸足を見つめ直す時間が出来た。
ちょうど3年と少し前、突然一人で始めた家庭学習応援施設My Placeという場所が、今の僕の仕事場だ。4月になる度に「今年はどうなるんだろう……」という不安を隠しながら笑っていた教師生活はもう僕の前には無くなった。明日の用意に追われて家族は放ったらかしで寝ずに仕事をする僕はもう居ない。「子どもに自由を学ばせる?甘やかしてるだけでしょ?」「そんなことで経営が出来るの?」「ビジネスとして成り立つの?」という声をたくさん浴びて今の僕がいる。きっと今年度はさらにたくさんの子どもや家族と出会うことになるのだろう。まだまだ僕の仕事はたくさんあるし、やりたいことだってたくさんある。でも、「とりあえずここまでは来たで。」と胸を張って言えるような場所には家庭学習応援施設My Placeは育ってきた。自分を支え続けてくれている家族。たくさんの子どもたち、卒業生、その家族、そしてスタッフ。みんなのお陰で僕の実現したかった場所が毎日成長していくのがとても楽しい。
4月という僕にとって息の詰まるような毎日はもう当分来ないだろう。新しい環境を前に色々な気持ちが錯綜するのはきっと僕だけでなく、多くの人に共通する気持ちかもしれない。そんな時はこの曲を聴いて少しゆっくり自分の「好きなこと」について考えて欲しい。もう授業をすることの無くなった僕からの新学期の挨拶はこれで終わりです。
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