今日みたいな日にブログを更新しないならこんなブログ辞めてしまう方が良いというほどの出来事があり、久しぶりに書いています。
僕たちが運営する施設、家庭学習応援施設My Placeは2019年11月に小学校教員を退職した僕がまずは個人事業で始めた小さな教育施設でした。学習塾でも無い、学校でも無い、もちろん自宅でも無い場所で始めた教育の場も始めてから4年以上が経ちました。初めは小学校で担任した教え子に囲まれて、その兄弟姉妹がやってくる程度のお客さんしかいませんでした。そんな小さな小さな教育の場も今ではずいぶん成長したなと改めて思います。
その大きな大きな存在は、僕を支えてくれるスタッフの存在です。
学校で働いていた頃から学年の先生にはとても良くしてもらい働く仲間に悩まされることが少なかった教師生活でしたが、それでも「教育に対する向き合い方」は人それぞれなので悔しい思いも辛い思いもしてきました。もちろん自分の言い分が全て正しいなんてこれっぽっちも思ってはいません。でも、僕が口にすることを真に理解して一緒になって働いてくれる人はそこまで多くはいませんでした。
でも、今は違います。僕がこれだけは貫きたい!という思いを一緒になって実現させようと心を動かしてくれる仲間がいます。僕が間違った方向に向かおうとすれば止めてくれる仲間がいます。そして、そんな仲間に支えられながら今も毎日色々なことに悩みながら今の仕事場「家庭学習応援施設My Place」を日々進化させていこうと努力をしているつもりです。
ただ、僕が目指す方向はこの場所を始めた時からほとんど変わっていません。子どもたちの「自立」を目指し責任ある自由をきちんと手に持って大人になるための応援をし続けることです。こんな抽象的な未来に向かっているからこそあぁでもない、こぅでもないと日々悩みは尽きないものの充実した毎日を過ごしています。点数や数値があればわかりやすい子どもの成長ですが、僕たちが求める先には「数字」はありません。昔は思いが伝わらずお客さんが離れていく経験もたくさんしていました。勉強が全てでは無いと言いつつ、中学3年生が見えるとどんどんと個別指導塾や学習塾に離れていくお客さんを見て心が折れそうになることもありました。
僕がこの場所を「家庭学習応援施設」という名にしたことにも理由があります。学習という言葉を聞くと学校での教科のお勉強を想像されがちではあるのですが、僕が思う「学習」はできないことができるようになったり、知らないことを知ったりする「学び」全てを指しています。そして、「学ぶ」ことが上手な子のほとんどきっかけは僕たち教育者が提供したとしてもそのほとんどの力の定着を「家庭」や「自分一人の時間」に行っています。だからこそ、僕たち教育者ができることは無数にある子どもの成長のきっかけに向かおうとする子どもの一歩を応援することに徹する場所を作りたいという願いから「家庭学習応援施設」という聞き慣れない言葉が生まれたのです。
さて、長くなりましたが本題に入ります。
今日ある小学生とお話をしました。
その子もう利用を始めてずいぶん経つのですがなかなか自分から動き出せずにいた子でした。大人が遊びに誘うと一緒になって遊び、すごく楽しいそうにハイテンションになるのですが、いざ自分で行動を決めるとなると動くことができませんでした。スタッフも色々な誘いや提案をしてもやはり様子は同じでした。一人で動き出せずにいる時には、ずいぶんつまらなそうな顔をして静かに座っていました。でも、ここ数回の利用でスタッフの細かな心遣いで少しずつ丁寧に関わることで、今日は施設に到着した時からニコニコの笑顔で部屋の中心で楽しそうに過ごす姿がありました。僕は今持つ全ての気持ちを込めてその子を褒めました。「あなたの勇気ある一歩こそ点数では無い本当の成長だよ。そんな姿を見せてくれて本当にありがとう。」と伝えることができました。
実はこれまでもなかなか自分のすることを見つけることができずにつまらない顔をしている子はいました。その度にスタッフとコミュニケーションを取り合ったり、得意なことや好きなことを探り、教材やおもちゃ等色々な工夫をして子どもたちに関わってきました。どの子も少しずつですが姿を変え、笑顔を増やし自分の居場所まさに「My Place」を自分の一歩で作り出してきました。
正直、10年以上教育の世界で働いてきた僕からすればガンガン声を掛けて巻き込めばある程度どんな子どもも楽しい思いをさせることはできるという自負はあります。でも、やっぱり大人が引っ張っていってできるは本当の「できる」ではないのでは無いかという気持ちが教師を辞めた時に感じたことです。僕の厳しさや賑やかさでちゃんとできるや楽しいなんて偽物のような気がしてしまったのです。
でも、今僕たちの目の前に通ってくる子どもたちはちゃんと自分の足で進み、行動を変え、「成長」する姿を日々見せてくれています。これはなぜか。僕は自信を持って言えます。きめ細やかな子どもの表情や態度に丁寧に関わってくれるスタッフがいるからです。支えてくれる大人の声に耳を傾け自分の力で一歩一歩進んでいく子どもたちがいるからです。そして、何よりこんな時間の掛かるわかりにくい「教育」を選び、信じて任せてくれる保護者の方がいるからなのです。恐らくこの記事は極々少数のうちのスタッフや利用者の保護者の方くらいしか読まないと思います。でも、今自分の中にある想いを書き留め誰からも見えるここに書くということは大切だなと感じ一息で書いてみました。お付き合いありがとうございます。
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