作ろう!世界一のダンスパフォーマンス!

Reggae×教育

昨日、小学校と協力して作った授業づくりが「運動会」という成果発表の場で一旦終わりを迎えました。

せっかくなのでより多くの方に今回の授業づくりの裏側をご紹介したいと思います。

遡ること5月の終わり、僕はある人と一緒にまた「授業がしたいな……」という気持ちになりました。

それが今回協力してくれたレゲエダンサーのマイロさんでした。

僕が彼をしっかりと認識したのは、うちの子どもがまだ小さかった時、六甲アイランドにあるデカパトスというプールであったイベントでした。

彼は当時レゲエダンスのグループで世界の大会で優勝するような経験をしており、至るところのイベントで見かけていました。

そんな彼とひょんなことから知りあい話をしていくうちに「こういう経験を持った人と子どもを是非出会わせたいな……」と感じるようになりました。

でも、僕はもう教師ではありません。うちの施設の少ない人数を相手に仕事をしてもらうのはもったいないくらいの経験のある人です。

僕の頭には1つのアイディアが浮かびました。

僕は昔、4年生の子どもを担任した時、子どもとダンスを作る体育の授業を行い、その発表の場を運動会で行った経験があったのです。体育の授業で動き作りをしてそこで子どもたちが考えた踊りを繋いでダンスを作る。このダンスが案外良かったのです。何より僕は子どもたちと対話しながら120人近くの子どもたちとダンスを作ったあの経験が心に残っています。だいたいの形が揃っていたらあとはグループごとにアレンジして良いことにしたり、入場の時にちょっとした役作りのようなものを取り入れて「〇〇みたいな雰囲気で入ってみて!」というやり取りをして答えの無いダンス作りを楽しんだことを覚えています。

このダンス素人教師だった僕がやってもとてもよく仕上がったダンスを今度はプロのそれも世界一を経験したダンサーであるマイロさんと取り組めたら……

想像するだけでもワクワクしました。

そして、近くの学校の4年生の先生に授業づくりの提案をしに行ったのです。

先生たちの業務量を減らす取り組みにもなりますし、何より特別な想い出を子どもたちの教育活動に活かせる可能性について伝えることで先生たちも賛成してもうらうことができ、先生たちとの相談のもと実際の授業に進むことができることになりました。

授業では、まずはマイロさんの紹介から始まり、彼のすごさを体感してもらう時間を取りました。子どもたちが好きな曲をその場で提案し、それに合わせて子どもたちがあっと驚くようなダンスを見せてくれたり、子どもたちが作った「変な動き」を取り入れ「カッコいいダンス」に作り変えるような時間も取りました。

子どもたちは大盛り上がりで、その後一緒に簡単なダンスに取り組んだ初日。

子どもたちに提案してみました。

「こんなにかっこいいダンサーと出会ってしまった君たちに提案があるんだけど、めちゃくちゃ難しいけどさ、マイロさんと一緒にダンス作ってそれを運動会で発表してみない?」

「やりたい!!」子どもたちの大きな声が体育館に響きました。

そして、次の日子どもたちと一緒にダンスに繋がる動きをひたすら生み出す行程に進み、1学期が終わりました。

たった2日の日程。しかも2日連続という日程での難しい授業にも快く答えてくれたマイロさんの心の広さに感謝しつつダンス作りをお任せしました。

そして、夏休み中にダンスの動きを子どもたちが生み出した動きや有名なレゲエダンスの振り付けから作ってもらいビデオに撮影してもらい子どもたちはそのビデオを見ながら運動会までの練習に取り組んだようです。

そして、今回はこれだけで終わりません。

ダンスはやはり選曲も大切です。

ゴリゴリのダンスホールは僕やマイロさんは大好きでも歌詞の内容などあまり小学生が踊るに不適切なものもたくさんあります。

多くの人が見ていてレゲエの文化や馴染みの少ないリズムに抵抗が減るように、そして何より多くの子どもたちに特別な想い出になるように考えたアイディアが当日用の音源を作るというものでした。

レゲエにはダブプレートという文化があります。これはアーティストが自分の曲を特別な歌詞に変えて作るものでたまにプロスポーツ選手や結婚式などに使われることがあります。特別な歌詞に変えることで自分たちだけの一曲を作ることができるのです。

そこで連絡をしたのがRAYさんというレゲエシンガーの方でした。

もし良ければ僕が以前一緒にやった授業記録があるのでそれも見てもらえると嬉しいです。

Reggae×教育【Singer RAY編】vol.1
Reggae×教育というテーマで小学校で行った授業の話をまとめています。学校に本物のアーティストがやってくる。これまでなかなか実現しなかった授業の記録をここに残しています。

しかも子どもたちにどんな想いでこのダンス踊りたい?というアンケートを取り、それをまとめ、歌詞の細かい部分やこの曲に込めるメッセージを電話でやり取りし、忙しい中音源を作ってくれました。

この歌詞は子どもたちにしっかりと心に留めて欲しいという想いがあり歌詞カードを作っていたのですが、それは少し横やりが入り実現しませんでした……

でも、やっぱり見て欲しいんです。僕たちが「ダンス」や「レゲエ」というテーマで子どもたちに何を伝えたかったのか?という想いをきっとこの歌詞を読んでくれた人ならば伝わるんじゃないかな?と思っています。

名塩のみんなは やってもないのに できやしないとか いいたくないから やるしかないよ
世界に一つだけのダンスを みんなで作り出そう
やってもないのに できやしないとか いいたくないから やるしかないよ
みんなで作り上げた 今日しか見れない ダンスを踊ろう

上手くいかない事はたくさん 諦めて逃げ出すのは簡単
目指してる理想はこんなんじゃないぞ 冗談じゃない 何も叶ってない 
やりたいこと なりたいもの なすべきこと すべてを想像し
やり遂げる心失わないよう 進んでいこう
 
この先も仲間がいて 支え合って 笑い合ってそんなMY PACE
夢向かって進む道 間違いない 名塩IS MY town 無駄にならない日々
たとえこの先 楽じゃなくても 明るい未来をつかむため
 
やってもないのに できやしないとか いいたくないから やるしかないよ
会場に集まるみんなの 心も躍らせよう
やってもないのに できやしないとか いいたくないから やるしかないよ
後悔しないよう 今日しか見れないダンスをしよう
 
目標をたて 追いかけ続け もがく日々に問いかける
あの時なぜ キッカケは誰 たまに自分振り返る
支え合ってる仲間が 心にのこってる言葉が
つらさも強さに変えてくれる いつも力を与えてくれる
ステージに立ち 光を浴びる いつでも出来る訳じゃない
高まる期待 名塩の未来 簡単じゃない道のり
失敗を繰り返す 責めないよ いつかできるはず
今日もここで踊ってる 信じた道を追いかけてる
 
やってもないのに できやしないとか いいたくないから やるしかないよ
体育会 全てのちからを 全力で振り絞ろう
やってもないのに できやしないとか いいたくないから やるしかないよ
後悔しないよう 世界に一つのダンスを楽しもう

目指すところ遠く遠く 高く高くそびえる山でも 
みんなあきらめないぞ 夢見てた世界にRIDE ON
目指す道に暗い暗い 怖い怖い闇が待ち受けても
みんな逃げ出さないぞ この道をすすむよ さぁ行くぞ
作り上げたダンスで あの未来へと線を延ばす 
一人一人動き合わせ 鮮やかなダンスを彩ってく
三、四年生たちは真剣 みんなで作ったダンスでの冒険
経験を糧に宣言 将来のために 何事も挑戦

やってもないのに できやしないとか いいたくないから やるしかないよ
成長する名塩の力を いつも感じてまいろう
やってもないのに できやしないとか いいたくないから やるしかないよ 後悔しないよう
今日しか見れない ダンスを踊ろう

僕たちは今「学校ではない教育の場」を運営しています。

学校とのやり取り、先生とのやり取りが上手く行かず日々落ち込みたくなるくらいがっかりすることがたくさんあります。

不登校の問題、特別支援教育の問題、学力低下や無気力など子どもにまつわる問題は社会の問題です。

「その子はその子のまんまで」「その子に寄り添って」「その子を尊重して」とか耳障りの良い言葉では解決できない教育の問題から目を背けたくないという気持ちで僕は5年前に今の施設My Placeという場を立ち上げました。5年間の中で悔しい想いは何度もしてきました。答えの無い教育の問題だからこそ難しいのはわかります。

でももう、誰か一部の価値観や昔から続く何となくの慣習みたいなものを正しく疑いながら子どもの成長をもっともっと真剣に支える何かを生み出したいという気持ちは今も強くあります。

今回、たくさんの方に協力いただき、授業を再びできる機会をいただきました。

誰かと手を繋ぐことで教育の力は何倍にも膨れ上がるという想いを再確認することができたのも今回の取り組みの良かったところだと思っています。

今回の授業が誰かの何かを変えるきっかけになれば嬉しく思います。

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