僕は、特別支援教育を真剣に学び出してから見える世界が変わりました。
では、その真剣に学び出したのはいつからか?
教師を始めて4年目の頃なんですね。上の子が3歳、下の子が0歳の年です。すでに担任を3年も経験した年のことでした。それまでももちろん教員免許を取得したり、学生ボランティアで特別支援学級に行ったりという経験があったにはあったのですが、明確に学び始めたのはこの頃でした。
正直、あの年僕が真剣に学び始めて無かったとしたら結構ゾッとします。今日は僕が本気で見直した子どもたちへの関わり方をもとに『何度言っても同じことを繰り返す子どもたち』への関わり方について書こうと思います。
残念なお知らせですが…
僕も以前1度ぐうの音も出ないほどにプライドを叩き潰された過去がありますので、これを読んで「ハッ」となった方は、気分を害されずに読み進めて欲しいのですが、『何度も言い続けても約束を守れない、言うことを聞かない、聞いていないお子さん』に関わっているみなさん。
何で『何度言っても伝わらない方法』で伝えようとしているんですか?
恐らく、今これを読んでいる人の中で腹が立って読むのを辞めた人がほとんどだと思うので、ここから先は、『ちゃんと伝わる人』しか残っていないと思うので丁寧に書きます。大前提、子育てにしても、教育にしても何度も同じことを言っているという問題のほとんどは伝える側に責任があります。なぜなら、『伝える側は基本的には情報の全体を把握している側』に居ますし、『聞く側は今は知識やスキルが不足して身に付けていない側』に居るからです。
案外『大人』が伝えたいことってシンプル
これは今も含めて、教師の時からも子ども、保護者、そして僕で話していると何度も何度も言われるセリフがあります。
「ほら。先生も言っているでしょ。お父さん、お母さんもいつも言っているでしょ!」というセリフです。
このセリフを聞くといつも「あぁ良かった。考え方が同じ方向向いていて。」と思う一方で、じゃあなぜ僕の話は聞いて、お家の人の話は聞いてないのだろう?
と言うのも、教師時代からたいてい親も交えて子ども、僕で話の機会を持つと子どもの姿は結構変わります。もちろん全て良くなるとは言いませんが、たいていのことはこう言う機会を持つと好転することが多いんです。ただ、そうなるとこれが成立しない。「いつも言ってるでしょ」です。たった1回こういう場を持てば変わるのになぜいつも言われているのに変わらなかったのか?について考えるようになったのです。
僕が気を付けている話すポイント
僕は結構子どもとのお喋りが好きです。どうでもいい話をめちゃくちゃたくさんします。なので、この話はこの子と盛り上がる話、などと自分の好きなものを友だち感覚で子どもと喋ることがあります。もちろん我が子とも一緒に話します。ポケモンの話やナルト、ワンピース、ドラゴンボールにマインクラフト、すとぷり等々子どもに教えてもらう流行りを自分なりに分析するのも趣味みたいなものです。ただ、こういったお喋りと『伝える』という場面は全然別のことを意識しています。
①静かなところで最小人数で
子どもは、情報をキャッチする力がまだまだ未熟です。なので可能な限り他に情報が入って来ない場所で話をします。兄弟がいる場合にも一度そこから離れて二人か三人くらいまでで話すのが一番整理しやすいです。たまに色んな先生で囲んで色んな口で子どもに想い想いの情熱で語り掛けるような場を見聞きしますがほとんど意味が無いと思います。情報が多くなり過ぎると子どもは頭がパンクしてしまうので…
②ゆっくりハッキリシンプルな言葉で
結構ありがちなことなのですが、子どもを叱ったり、指導したりする時に熱くなって『方言』や独特のイントネーション、普段の話し言葉が入っている人がいます。子どもの語彙は意外と少ないです。大人にとっては伝わりやすい言葉もそもそも言葉の意味がわからず何を言われているかイメージも出来ないでただ黙って聞いている場合もよくあります。本当に伝えたいことがある場合は、子どもに反応させる余裕を持たせ、伝わっているかを確認すると良いかと思います。
③わかりやすい『例え話』を
上の話と重なる部分はありますが、同じことを繰り返す子どもたちの多くは『何が問題なのか』あまりわかっていなかったり、良くないことは理解していてもそれを越えるメリットを見つけてしまっていることが多かったりして『大人は結局何が言いたかったの?』が想像できずに話を終えることがほとんどだったりします。適度に具体例や例え話を取り入れてやると子どもは話を『自分事』にすることができると思います。
④紙に書きながら話す
これだけ意識していてもそれでも伝わらない子はたくさんいます。なぜなら聞く力自体が弱い子は一定数いるからです。聴力としては聞こえていても聴覚刺激からの記憶が極端に苦手な子は結構います。真剣に聞いていても聞けば聞くほどに新しい情報が入ることで『結局何を言われているの?』が途中で分からなくなる子のために僕は書いて伝えることが多いです。①今の問題点②どういうことに繋がるか③望ましい状態④そのために取るべき具体的な行動この4つあたりを寄り道せずに伝えるようにすることが僕のポイントだったりします。
目的は『伝わること』
僕たち大人は子育て、教育に携わる時に動物(ヒト)である『子ども』を『人間』に育てる責任があります。知らないことや出来ないことは『教えてあげる』必要もあります。
でも、それは決して子どもに『何度も言うこと』ではありません。『伝えること』です。理想は1回で伝わることです。もちろん、どれだけ工夫したって伝わらないことなんて山ほどあります。だけど、だからと言って厳しくしてできるもの伝わるものではありません。試行錯誤していつもいつも一番伝わる方法を探ることがもしかすると子育てや教育の醍醐味なのかもしれません。
だけどこれって親だけで頑張ったってしんどくなっちゃいますよね。だから僕は今『子育て・教育を明るく楽しく進められるコミュニティづくり』に力を入れてるんです。もし、これを読んでくれた方で悩んでいる方がいればいつでもご相談ください。
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