得するって大切

子育て

 僕は子どもの成長の過程において『得する仕組み』があるか?に結構こだわりを持って考えているところがある。
 今日は『得するって大切』という話を書いていこうと思う。

読まない子どもたち

 子どもの読解力については色々なところで話されているのでご存じの方も多いだろう。

【読解力について考えたい方はこちら!】

 普段の生活を眺めていても、学校のテストなど「全然読んでいない子どもたち」を見つけることは簡単かもしれない。ただ、情報を受け取るという意味で『読む』という行為は獲得しておく必要がある大切なスキルだと思う。よく動画の方が手っ取り早いなんて意見を聞くことがあるけれど、情報を受け取るという方法で速さを求めるなら絶対に文字を読む方が速い。
 じゃあなぜ子どもが『読む』ことから離れて行くのだろうか?僕はこれについて2つの考えがある。
①読まないことで致命的な損をしていない
②読んだことで得を感じていない
 この2つが影響して子どもからどんどん『読む』という文化が無くなっていっているのでは無いかと思う。

①読まないことで致命的な損をしていない

 我が子の話にはなるのだが、上の子が『読む文化』を明確に吸収し出したのは1年生のクリスマスにポケモンのゲームを手に入れた時からで恐らく間違いない。
 僕ら夫婦は基本的にゲームのことに関してはあまり長時間にならないようにすること以外は口を出さない。だけれど僕が唯一我が子に言ったのは「とにかくわからなくても聞かないで。読んでわからないことが多いならまだこのゲームを楽しむ年齢じゃないんだよ。」それから彼は一文一文よく読み出した。ストーリー上の出来事もドラマを見るかのようにしっかり読むことで確実にクリアしていた。その後、彼が「とうと(僕のこと)、これ見てや。メニュー押したら次の行く場所いつでも書いてるわ。最悪読まんでも進められるで。」
 なるほどなと感じた。読み落としを防ぐための『優しさ』がどうも読まないことへと繋がっているようだ。

 話が変わって先日から僕は施設の子どもたちと昼間地域を散策する時間を作っている。その間話の流れでドラクエウォークのアプリゲームを始めた。最初のチュートリアルでゲームには色々な情報が出て来るのだが、僕の隣で教えてくれている中学生が「あぁ、それは読まないでも特に困らない。」と教えてくれたわけだ。だけれど、都度都度僕は「なぁなぁこれってどういうこと?」と聞くとほとんどのことが「いや、それはようわからんけど別に困らん。」との答えが返ってくるのだ。
 確かに困らないのだ。でも、僕の中にはよくわからないことを抱えて楽しみ切れていない自分がいたのだ。

② 読んだことで得を感じていない

 僕たちはこうした子どもたちにやはり『読書』を薦めることが多い。
 その子の興味に合わせた本を見つけてはオススメするがほとんどの子はそれでも読まない。読み聞かせでもすれば面白がる子も自分では読まない。多くの子どもたちにとって『読む』という行為が苦手なことを強いられているような課題なのだと思う。
 しかも、やっとの思いで『読んだ先にある世界』には実際に自分にとって『得する情報』が大して見えないのかもしれない。

 だけれど、うちに通う子どもたちの中で多くの子が読みふける本がある。
 それは『〇〇のサバイバル』シリーズやちょっとした雑学の手に入る図鑑形式の読み物だ。
【こんな本が人気です!!】

 なぜ、この手の本ならよく読むのに物語の本は読まないのだろう。僕は考えた。
 そして、今浮かんでいる1つの答えが『文が短く、知った豆知識を親や友だちに話すと興味を持ってもらえるから』だと考えている。

 物語の多くは読み終えた時に感想や考えをシェアし合える仲間が圧倒的に少ない。子どもにとって『得』なことは子どもたちの社会の中でちょっと注目を集められる存在になることなのだと思う。

子どもの伝えたいことは…

 子育てをしていると「こうして欲しいな。」「こうなるといいな。」ということがたくさん浮かんでくるかもしれない。だけれど、冷静に子どもを眺めていると子どもは結構正直なので嫌なものにはとことん嫌がる。ついつい逃げたくなることだってたくさんあるかもしれない。そんな時に少し『得する仕組み』を設計してやると生活にメリハリが出て来るかもしれない。皆さんも是非やってみて欲しい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました