My Place誕生秘話~放課後プラン編~

子育て

この「My Place誕生秘話」のブログも残すところ最後の投稿となりました。

でも、最後に書くこのブログが一番最初に事業として思い付いた事業なのです。

教師らしくない教師だと言われた僕

僕は学校で働いていた時に色々なことをしていました。

体育の授業の研究を先輩の先生たちと深夜までやっていたこともありますし、特別支援学級の研修に通い何冊もの本を読んでは自分の授業実践やクラスの運営に役立てたこともありました。

僕の中ではシンプルに学校で子どもたちの未来を託される使命としてやれることは全部やろうと思って必死に働いてきたつもりです。

勝手な宣伝ですが、そんな教師生活の色々を詰め込んだ想い出をまとめた本がこちらです。

家庭学習応援施設My Place powered by BASE
本ショップは、兵庫県西宮市にある家庭学習応援施設My Placeに関わる商品の販売を行うページです。

教師としてやるべきことは学習指導要領に書かれているはずだと何度も何度も読み返しましたし、学校全体のルールには人一倍忠実に働いていました。

勤務時間に間に合っていてもギリギリに通勤すれば遅刻みたいに見えるし、他の先生がスーツの上に防寒着を重ねて授業するのはちゃんとしているのにわざわざスーツに着替えない僕は何ともヘンテコに映るようでした。

でも、多くの子どもたちや保護者の方々とはきちんと繋がりを持つことが出来てきました。

多くの親が求めていることは「能力を伸ばして欲しい」とか「優秀な子にして欲しい」とかでは無く我が子を一人の人間としてきちんと向き合って欲しいという気持ちなのではないかと教師をしていて感じる場面が多くありました。

通知表の評定よりも、一本の電話で話したことや個人懇談で話したことを大切にしてくれている保護者の人たちに励まされて教師という仕事に信念を持って取り組むことができました。

学校からは届かなかった「悩み」に教育を届けたい!

学校で働いているとたくさんの教育課題にぶち当たります。

一斉授業では救えていない学力が定着していない子。

一人では宿題になってもできやしないんです。でも、僕が働く学校には漢字、計算、音読は必ず宿題で出しましょうというルールがありました。

だから毎日できないだろうなと思いながら宿題は出すんです。

授業時間数にも決まりはあるのでどんどん授業の内容は進めるんです。

漢字ドリルや計算ドリルは一斉に買うので必ずやらせないといけないんです。

ある時、宿題わからないなら一緒にやって帰っていいよと子どもに伝えたら30人くらいのクラスで5、6人残って宿題をやっていました。

わからなければ聞いたらいいよという当たり前のメッセージも言えずに黙っている子がたくさんいると感じました。

子どもはやっぱり成長したいと思っていると感じたんです。

でも、大人も忙し過ぎるんです。情報って増えれば増えるほど気にしないといけないことが増えてしまうんです。だからどんどん忙しくて、悩みの深い親が増えているんです。

同じように先生だって忙しいんです。社会に問題が増えたら一旦は全部学校に乗っかってくるんです。言葉ひとつが子どもの心を傷付けるかもとか、差別を生むかもとか色々あるんです。

もし良ければ文部科学省の定義する「いじめ」を調べてみてください。この定義に当てはまる行為を全て先生が把握していないと記録していないとダメだと思うとゾッとするんでは無いかなと思います。

冷静に考えればわかることだと思うのですが、これだけユニバーサルデザイン等が配慮されて色々な専門家が関わってできた教科書を読んでも、学校に毎日行って一斉だろうと授業を受けても「わからない。」が発生している子に無策で親が宿題だけを何とかさせたって学力は伸びていかないと思うんです。

それでも先生によっては「〇〇ちゃん、お勉強が苦手なので良ければお母さんも一緒に勉強みてあげてくれれば……」とか言ってしまうわけです。

そんなの無理だよってなって今度は学習塾にアウトソーシングです。

本来、いつでも質問できる人がいて、問題を解いて、答え合わせをして、また問題を解く。これを繰り返してやれば学力は伸びていきますし、テストの問題を解くためにはスペシャルな授業やテクニックなんてほとんど不要なんです。

無いなら作ろう!!

これまでブログにまとめて来たサービスは世の中にあるサービスを僕らなりに解釈して運営しているサービスです。

福祉系の事業にはルールがたくさんありますし、通信制高校にも本校の縛りがあります。

でも、放課後プランに関しては「何のために」が特にありません。

お勉強をするために来ている子もいれば、人と繋がるために来ている子もいます。

この根っこにはある意味僕が家庭学習応援施設My Placeという場所を作った時に持った「覚悟」が込められていると思っています。

「箱」と「教育者」が「教育」は展開できる。そう思ったのです。

家庭には家庭教育があり、学校には学校教育があります。僕たちは言うならば社会教育の場です。

家庭で起こる「学び」をトータルサポートできる場所を作ろう。親の相談相手になることもあれば、子どもにヒントを与える存在であることもあります。このままでは良くないと思った時には厳しく叱る。これも教育の大切な要素だと思っています。

その子と社会を繋ぐ。僕たちが追い求める教育はここに集約されています。

放課後等デイサービスやフリースクールは来ることができる子に条件が付きます。

でも、放課後プランを作ってしまえば人手はいりますが、どんな子でも利用できるような形態が実現できると思ったのです。

自由が一番難しい

フリースクールの時にも書いたのですが、My Placeという場は多くの場面で「自由」を大切にしています。

でも、これってめちゃくちゃ難しいことだと思うんです。

やらないという「自由」も認めるからこそ、子どもが楽な道に進んでいるなと思うことも一旦は認めざるを得ない、大人も上手くいっているかちゃんとチェックしていなくても現状維持で適当に誤魔化せる。そういう環境下で進む「自由」こそある意味コントロールが一番難しいと思っています。

点数や数値化すれば誰もがわかりやすく成長を感じることができます。

でも、僕たちはその道を選ばずに4年半を越えて教育の場を展開しています。

正直、何度も何度も悩んで今まで進んでいます。「教育者」として今の子どもの姿だけを見ていては問題が先送りになるだけで意味が無いのを痛感してきました。

だからこそ、怖くなる時も実は何度もあります。

それでも今僕が始めた時よりも確実にMy Placeは成長を遂げています。

理由は、はっきりしています。助けてくれるスタッフの存在です。僕に迷いがある時にはたくさんの意見をくれますし、視野が狭くなっている時には必ずそれを広げてくれるようなヒントをくれます。

僕はリーダーとしてあまり優秀だとは言えません。タイムカードは押し忘れるし、昨日も靴をそのまま放置して移動していました。でも、必ずスタッフの誰かが助けてくれてここまで何とかやってきています。

答えの無い教育というテーマで場を作る。とても難しいことではありますが、少し気楽に目の前にいる子たちが本心から笑ってられる場を。目の前のスタッフたちが本心から笑って働ける場を作る。そういう気持ちでとりあえず10年くらいは頑張ってみようかなと思っています。

コメント

  1. 橋本知世 より:

    今日メリケンパークのスーパーボールすくいのブースでお声をかけて頂きました。
    私たち親子の様子に気付いてお気遣い下さり、とても嬉しかったです。
    スタッフの皆様ありがとうございました。
    御本読ませて頂きます。
    またお会いできたら嬉しいです。

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