パソコンを使う調べ学習の授業はなかなかカオスになることが多かった。そもそも道具としてのインターネットの使い方をきちんと習慣化されるほどの指導をしていないので無理も無い。ただこういう状況はさらに経験値を増やしていかない限りは改善しないし、週に1度や2度パソコンのある教室に流れ込んでたった45分間触るだけでは尻切れトンボになるに決まっている。
昨年からの学習指導要領の改訂以降言われ出した『GIGAスクール構想』は上手くやればこの解決の糸口になるかもしれないが、そもそも普段からパソコンを触らない指導者の主導で行われるこれがいかに動いていくかは心配の一つでもある。
今日はこのパソコンやインターネットについて書こうと思う。
道具は均質化されていく
インターネットの普及により『技術』の『価値』が低下しているという話は至る所でされている。というよりも質が高まるスピードが速くなっているから質では勝負がしにくくなったよ。という話だ。みなさんも生活の中で感じたことは無いだろうか?ついこの間1000円ぐらいで売られていた便利グッズがあっという間にコピー商品で溢れ、気が付くと100円均一のお店に姿を現わすことを。質がコピーされる世の中ではみんなの意識が『より質の高いものを安くで!』という方向に向かい始める。ロボット掃除機もマッサージ機もハンディタイプのサイクロン式掃除機もあっという間に『安くて良い物』が世の中に溢れだすワケだ。
身近なところでもそうだ。例えば、去年の緊急事態宣言の時以降『Zoom会議』や『Zoom飲み会』が話題となり一躍『テレビ電話ツール』と言えば『Zoom〇〇』という位置まで社会全体に広がっていった。だが、そうした社会の変化に伴って今や『LINE』でも似たような機能が備わっているのだ。僕が毎日行っている『オンライン自習室』だってLINEのミーティングルームで十分ことが足りる。画面共有も簡単に出来るようになっているのだ。こうした機能は日々アップデートされていっている。
Googleがあれば…
スマホ一つで色々なことが解決できるようになって来ている。電車やバスの発車時刻も、行きたい場所へのルートも、翻訳も出来れば、植物にカメラを向ければおよその種類が表示される。
人間が『困った状況』に出くわせばほとんどのことが解決する。もっと言えば僕ら素人が生活で思い付く『困った状況』なんてものはほとんどのことがスマホ1つで一瞬で解決することが多い。
僕は料理をすることはさほど苦にならない。なぜなら材料さえ買ってくればスマホに材料とレシピと検索すれば簡単に作ることの出来るいくつかの料理が出て来る。手順通り作れば出来上がった料理はたいてい美味しいもんだ。
NPO法人の設立の仕方も、会計の取り扱い方も、小中学生の教材や指導方法なんかも迷った瞬間ググれば解決してしまう。本当に便利な世の中になったものだ。
同じGoogle使ってる?
だけれど最近だんだんとハッキリしてきたことがある。このスマホがあればインターネットを介してほとんどのことが解決できる。というのは意外にも『スキル』だったということに。ある子はパソコンやインターネットで困った時にはしょっちゅう僕のところにLINEをすることで困り事を解決しようとしている。ただLINEでは伝わりにくいこともあり、テレビ電話の画面で映してもらったり、色々質問したりするのだがほとんどのことは僕も知らないことが多い。そんな時にはたいてい僕もスマホで『検索』をかけ、2つ3つ記事を読み、一番わかりやすそうな記事のリンクを送るとほとんどのことは解決する。つまり、その子には記事を読み解く『読解力』が無かったワケでは無いのである。
どうやら僕らは気が付かないうちに生活のほとんどが考える、想像する、予測すること無く『検索する』で解決できることが多くなっているようだ。しかし、『検索』するは今後意識的に身に付けなければいけない大事なスキルなのかもしれない。『情報』が少ないことによる損をする場面がどんどん増えている。所謂『情報弱者』という立場だ。人が簡単に『情報』にアクセス出来る時代だからこそ取りに行かないことのリスクはどんどん大きくなっている。知らないことはすぐに調べるが現代社会を生き抜く為のドレスコードなのかもしれない。『検索』に関してもやはり『経験値』による差が大きい分野なのでは無いかと思う。とにかく知りたいことはどんどん『調べて』『知ったことを基に行動する』これの繰り返しこそ現代社会の歩き方であると僕は信じている。
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