僕は教師として7年半働いた。
新卒で入って定年まで勤め上げることが「常識」「美徳」とされていた時代から見れば、決して長い年数ではない。
それでも、その7年半で見えてきたものは確かにあった。今日は「教師の仕事と労働時間」について、率直に書いてみたい。
1.変形労働時間制がはらむ違和感
2019年10月、教員の働き方改革として「変形労働時間制」の導入が閣議決定された。
簡単に言えば、忙しい時期に労働時間を増やし、夏休みなどは短くすることで、年間で調整しようという仕組みだ。
理屈は分かる。でも現場感覚とはズレている、という不安の声が多いのも事実だ。
僕自身はいまフリーランスで教育に関わっているが、自分の教師時代を重ねると、これは制度だけで済む話ではないと強く感じる。学校そのものを変えなければ、意味を持たない。
2.教員の仕事は「見えている時間」がすべてじゃない
教員の仕事は本当に幅が広い。
保護者や子どもに見えているのは、始業から終業までの時間だけ。でも、それは仕事のほんの一部だ。
例えば、僕の職場では出勤は8時20分。でも子どもは7時50分頃から登校してくる。
授業が終わるのは低学年で14時25分、高学年で15時15分。そこから下校指導があり、勤務終了は16時45分。
残された時間は1時間15分ほどだ。
その間に、授業準備、成績処理、会議、保護者対応、子どもの個別対応を詰め込む。
中学校なら、これに部活動も加わる。定時退勤は、相当な工夫がなければ難しい。
しかも休憩時間は、昼休みや放課後に割り当てられている。
正直、安心して休憩を取れる環境ではない。
僕自身、教師時代に「休憩らしい休憩」を取った記憶はほとんどない。
それでも、教師には学び続けることが求められる。
僕は特別支援教育や体育科教育について、ほとんどを勤務時間外で学んだ。
夜中まで本を読み、研究し、授業を考えた。その積み重ねが今につながっているのは確かだ。
ただ、それは「仕事の中で保障された成長」ではなかった。
この環境で働く教師が学ぶ時間を持てず、「不勉強な先生」と批判されるのは理不尽だ。
一方で、劣悪な働き方を「仕方ない」で済ませてしまうのも違う。
この矛盾を、社会全体で直視する必要があると思っている。
教育は、未来を支える公共サービスだ。
その質が下がる可能性があるなら、教育者だけの問題にしてはいけない。
3.本当に考えたい教員の労働環境
学校や教師を巡る多くの問題は、この労働環境と無関係ではない。
だから僕は、My Placeという場から、今度は外側から教育について発信していきたいと思っている。
これから考えるべきことは、例えば次のようなことだ。
・慣習的な学習活動や教育活動を見直す
時間がかかるわりに効果の薄いものは減らす
・行事をシンプルにする
見栄え重視から、準備や練習の負担が少ない形へ
・テストは厳しく、宿題は減らす
管理の手間を減らし、結果と向き合う文化を育てる
・教師が学ぶ時間を確保する
事務作業の削減や分業で、インプットの余白をつくる
ただし、これを進めるには、学校側が「学校を本気で良くしたい」という姿勢を、子どもや保護者に丁寧に伝える必要がある。
何か起きてからの説明ではなく、見えない部分に思いを巡らせる「優しさ」が、これからの教育には欠かせないと、僕は思っている。

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