2019年3月。僕がまだ学校で働いていた頃、僕は小学6年生の子どもたちの担任をしていた。
そして、もうそれから3年が経とうとしている。
学校の先生という仕事を辞めた今、僕はまだ何人かの子どもたちと定期的に会うことが出来ている。そしてまた4月からは何人かの子どもたちを通信制高校の生徒として預かることが決まっている。そして、今年の3月僕の教員免許の有効期限が切れる。更新制度はもうすぐ終わるらしいがギリギリ終わる前に僕の教員免許は使えなくなる。僕が学校に戻るという選択肢は無くなった。
そして今あの担任をしていた子どもたちが卒業を迎える大切な時期に未だに社会はコロナウィルスという脅威と戦っている。
思えば、この子たちの中学校生活はほとんどがコロナ禍という社会に包まれていたわけだ。子どもたちにとっては随分残念に思うこともあっただろう。悔しい思いや辛い思いもしただろう。
だけどそれでも僕たちはこれからも前を向いて生きていくことができる。
多くの子どもが読むか読まないかは別としてもうすぐ卒業を迎える中学3年生の子どもたちに今僕が伝えられるメッセージを精いっぱい書こうと思う。
MESSAGE
もうすぐ卒業を迎える皆さん。お元気ですか?
僕は毎日寒い寒いと言いながらも元気にやっています。今の仕事場はエアコンを入れても、ヒーターを入れても寒い日には随分冷え込むのでやっぱり学校っていう建物は高級な場所だなと思いながらも、生き生きと過ごしています。
コロナが流行り出してから随分と経ちましたが、未だに社会から消えることなく猛威を振るっています。せっかく落ち着いたかなと思ってもまた次から次へと変異株が生まれて大変な日が続いていますね。もしかすると、感染してしんどい思いをしたり、怖い思いをしたり、辛い思いをしたりということを経験した人もいるかもしれませんね。
僕は小学3年生の時に阪神淡路大震災を経験しました。本当に怖い思いをしましたし、自分たちの住んでいる場所が驚くほどグチャグチャになっていました。今でも思い出せるほど衝撃的な経験だったと思います。でも、そこから学んだこともたくさんあります。そして、その経験から社会が変わったこともたくさんあります。これはもしかすると戦争の時もそうだったのかもしれません。僕たちは何か大きな出来事があるとその度に大きく社会を変えようするきっかけにするのかもしれません。
つまり、このコロナ禍も考えようによっては学ぶポイントを大きく含んだ社会の変化なのかもしれないなと僕は思っています。
なので、今日は僕がここ数年の経験を経て「やっぱりこれって大切だよね。」と学んだことを書いておこうと思います。何かの役に立てば嬉しいなと思います。
やっぱり学ぶことは大切
今回のコロナ禍で僕たちはたくさんの情報に振り回される経験をしたのではないかと思います。
さて、聞きます。今日本人で国から配られたあの白いマスクをしている人はどれくらいいるでしょうか?
「マスクが無くなるらしいぜ!」
「消毒液が…」
「ティッシュが…」
などなど色々な情報が飛び交いました。そして、たくさんの良くないことも起こったのも現実です。でも、本当にあのタイミングであのマスクを配ったことによる利益は国民に大きかったのでしょうか?あのマスクが配られたことに使われたお金がどれくらいの規模になっているかを調べられる人は是非調べてみるといいかなと思います。
僕たちは学校や家庭で色々なことを学びます。
ただ、待っていても全員が得する情報が入って来るとは限りません。もっと言えば多くの人が困っているタイミングは嘘が広がりやすくなります。騙されてしまう人も残念なことに増えていきます。
だからこそ、僕らはいつもいつまでも学び続ける人でないといけません。
行動力が自分を助ける
僕はコロナ禍にで自分で仕事を始めました。それまでは学校や会社で働いていたので月に一回突然給料が銀行に振り込まれてくるので財布の中身が無くなればATMでおろせばいいやという生活でした。
でも今は違います。お客さんがいなくなれば自分たちが生きていくためのお金は無くなってしまいますし、働いてくれている人たちにお金を支払うこともできなくなってしまいます。国や県や市が助けてくれるようなことをしていても自分で調べていかないことには助けさえ受けることができません。
だからこそ僕は今とにかく色々なところに顔を出して、まずは知ってもらうことを繰り返しています。でも、そういうことを繰り返していると確実に仲間が増えていきます。言葉や気持ちが伝わっていく人が増えていきます。僕の仕事は今色々なことへと繋がっています。不登校で悩む子にとっては学校になるかもしれないし、お家の人が忙しくてお家には帰らずにうちの施設に来る子にはお家の代わりになるかもしれないような場所で色々なことをしています。まだまだ2年しか経ってはいませんが毎日楽しく生きています。
縁と仲間は大切に
中学校を卒業するみなさんには今どんな仲間がいるのでしょうか?
別に多くなくてもいいと思います。でも、どこかに居場所や仲間を持っておくということはこれからの世の中ではずいぶんと自分の人生を楽にしてくれるのではないかなと僕は思います。
今回のように社会がザワザワしだすと、人を信じることすらできなくなる瞬間がもしかするとあるかもしれません。
コロナはウィルスです。普通にしてたら目には見えないものなので、「もし自分が無症状で感染していたら?誰かに迷惑を掛けないかな?」など人と会うことすらも遠慮しないといけない空気が流れてきたりもしました。いっそ一人でいる方が気楽だなと思った人もいるかもしれません。
でも、誰とも関わらずに一人で生きていくことはかなり難しいのも事実です。どこかのタイミングで誰かとは関わらないと生活はしにくいはずです。
だからこそ、僕たちはこれからの世界を生きていくためにより一層、「この人なら信じて一緒に居ていられる。」という人をきちんと作っていくことで自分たちの安心を生むことができるのではないかと僕は思っています。
自分にとって居心地の良い場所は必ずどこかにあるはずです。大切なことはそれを探すかどうかなのです。
まだまだ終息が見えてこない今回のコロナ禍ではありますが、確実にみなさんの中学校生活は終わりを迎えようとしています。行事や楽しみごとがずいぶん減ってしまったと残念がる気持ちもあるでしょうが長い人生から考えたら数年のことです。この数年の中から一生に使える知識や経験が得られたとしたらそれは大切な一歩になるのかもしれません。
では、またどこかで会えば声でも掛けてください。少し早いですが、きっと気が付いたら言い忘れるので先に言っておきます。
卒業おめでとう!!
コメント