先日からまた1冊の本を読んでいる。
僕たちの住む兵庫県にある私立の中高一貫校であり、全国でも名高い灘中学校・高等学校(通称灘校)の校長先生である和田 孫博先生の著書である。多くの方がご存じだと思うが、灘校は入学試験の問題を見ても明らかだが、超難関校である。ちょっとやそっとの勉強をして合格できるような学校ではない。ただ、この本に書かれている『教育』に関する考えはどの子にとっても大切にしたい考えばかりだった。今日はそのことに触れながら今後の僕たちが向かうべき方向についての話を書こうと思う。
灘校が大切にしていること
全てそのまま書くことはできないので抜粋しながらエッセンスを取り出すとこのようなことが書かれていた。
◎どうなるかわからないから学ぶ
未来への授業より要旨を抜粋
◎好きなことを学ぶ
◎好きなことを見つける
◎違いに気づく、受け入れる
◎経験することから考える
◎考えるより、やってみる
どうだろうか?これは本当に受験戦争を勝ち抜いた賢い子どもたちだけに必要なことだろうか?多くの大人が求める『学校の勉強が出来れば良い訳ではない。』という言葉にはこのような要素を高めて欲しいという願いが込められているのではないだろうか?本の中には数々の具体的な方々の様子を交えながらこれからの世の中ではこんなことが大切なのではないだろうか。ということがたくさん書かれていた。
My Placeなりのアプローチ
My Placeの放課後の学習支援には『授業』は無い。ただ、僕は単なる学習支援だけの教室として運営しているわけではない。定期テストや受験勉強の為だけの『お勉強』はどこにでもたくさん溢れている。探せばインターネットにも無料で溢れている。だからこそ、僕らはそちらに向かっていっても救える人の数は増えてはいかないと思っている。
小中学生がいて、タブレットがたくさん並び、ボードゲームが手に取ることができ、みんなの想いに助けられたお菓子が並ぶ。新しい本や普段は手に取ることの少なそうな本を並べ、庭ではせっせと野菜を育てる。全国どこからでもインターネットで利用者としてつながることができ、たまにみんなでパーティーをする。そんな場所がMy Placeだ。不登校の支援も、通信制高校としての利用もできる。何だかヘンテコな『教育施設』それがMy Placeだ。
自分についてとことん知るために渡されたそれぞれのコントローラーで『自由』と『責任』を受け取って過ごす場所それがMy Placeだ。
もちろんまだまだ完全な施設ではない。いつまで経っても「まだまだ。もっともっと。」と答えるかもしれない。My Placeの『教育』に100点の状態は無い。100点が取れた日はその瞬間最高点が200点になるような場所だ。
僕はどう頑張ったって灘校で学ぶことはもう出来ない。もっと言えば数が限られているからこそ灘校で学びたくても学べない子はたくさんいる。
でも、この本を読み、今目の前にあることに子どもも大人もまっすぐ向き合うことで、そのエッセンスは吸収しながら『教育』を組み立てていくことはできる。
こういう発信をすると毎度のように聞こえてくるのが、『それはもともと賢い子だからできるんだよ…』との声はあるが、本当にそうだろうか?上にあることを実践することにいわゆるテストで扱う点数は関係あるのだろうか?僕は全く関係ないと思っている。
学ぶ場所はもしかするとみんながみんな選べないかもしれない。でも、大切なエッセンスを意識して生活することはどの小中学生や高校生でもできるし、どの家庭でもどの学校でも実践することはできる。結局僕たちを止めているのは『気持ち』だ。
これからも僕たちは全国や世界からMy Placeの教育に共感してくれる人を探して、繋がり、応援し続けていきたい。
コメント