My Place×学校の可能性

学校

 昨年のまだ暑いくらいの頃、校区の小学校である西宮市立名塩小学校の4年生の先生からある依頼がありました。
 「4年生の総合学習でお仕事調べの学習をしていて、実際にお仕事をされていた方をゲストにお呼びしたくて……」
 僕はこの名塩小学校で勤務していた時、何人ものゲストティーチャーをお迎えして一緒に授業作りをさせてもらったことがあるので即答で「いいですね!」と返事をしました。ただ、先生方と話をしているとゲストを呼んで作る授業は経験も無くあまり想像も付かないのだということでした。

 僕たちは、「子どもとその家族、学校の先生を助ける法人」として活動をスタートしているので二つ返事で協力することを伝えました。

 打ち合わせが進む中で少し僕たちからも意見を伝えました。「日本では将来の夢をお仕事で聞くことが多いとは思います。でもこれってかなり難しいと思うんです。将来のことなんてまだまだ想像も出来ないだろうし、子どもが想像できる仕事だけの中から将来を見つめるって子どもによってかなり差が出てしまう気もするんです。あと、全員が基本的にお仕事をするってことが正解です。みたいな出し方って全児童が取り組む学習にしては少し乱暴な気もするんですよね。」とその後も先生方とコミュニケーションを取り、今回の授業では多様な大人に出会い、お仕事や今までの人生の話を聞くことを通して自分が大切にしたい価値観を見つめ直すといった授業作りの柱を立てることになりました。

こんなゲストと一緒に授業をしてきました!

 簡単に今回お呼びしたゲストの方をご紹介します!ゲストのマッチングは今回先生方にどんなことを伝えたいか?子どもたちはどんなお仕事をしている人に興味を持っているのか?を聞きながら僕たちから提案し、先生方に確認していく形で進めていきました。

①美容師:鈴木さん

 1回目のゲストは芦屋川に美容室akubiを経営している美容師の鈴木さんでした。この方は、普段はお店で働いていますが、たまにワゴン車を改造して車の中でシャンプーやカットを行えるようにしてたまに遠征に行くそうです。

 この日は何人かの子どもがシャンプーやカットを体験しながらその仕事っぷりを見せてもらいながらインタビューを進めていきました。過去に世界を旅して歩いた話や美容師になったきっかけなど楽しんで聞かせてもらいました。

↓Instagramはこちらから

 https://www.instagram.com/akubi_akubi_akubi/

②カメラマン:田原さん

 2回目のゲストは六甲に写真館を持つフォトグラファーの田原さんでした。この日は子どもたち自身が普段から使っているタブレットパソコンを使いながら「名塩小学校の素敵なところが伝わる写真」をテーマに運動場での撮影会からスタートしました。思い思いに構図や被写体を選んで写真に写して、それを画面共有してあとで講評を受けました。写真の技術的なお話や子どもらしい素敵な視点が見られる体験から、今度は田原さんのプロのお仕事を見せてもらったり、写真館立ち上げまでのストーリーを聞かせてもらうことで楽しい時間を過ごすことができました。

↓ホームページはこちらから

 https://studio-chikutaku.com/

③フードトラック:自由多幸寿-LIBRE-

 3回目のゲストは、フードトラックで神戸三宮や全国に行脚されている自由多幸寿LIBREの皆さんに協力いただきました。この日は休み時間から運動場に停まったフードトラックに人だかりができ、すでに美味しそうなにおいが広がっていました。コロナ禍ということもあり『黙食』で!という依頼に始めはゲストの方々も心配していましたが、やはり子どもたちの心は止められません。食べている時には喋らずに!でもとっても美味しそうな表情を見せ、十分今ある環境を大切にしながら楽しんでいるのだなと感じさせてくれるような経験が出来たようでした。実はこの日は、時々フードトラック周りのサポートや一緒に動いて音楽の活動をしているACEMARKさんも同行してくれていました。子どもたちは最後にプロの生歌も聴くことができました。

↓自由多幸寿LIBREのInstagramはこちらから

 https://www.instagram.com/libre_foodtruck/

↓歌ってくれたACEMARKさんの歌はこちらから

ACEMARK – KOKOKARA (Official Music Video)

④トータルクリエーター:YURITANPEさん

 そして4回目のゲストは、今回唯一の女性ゲストであるYURITANPEさんでした。普段は映像の編集やカメラマン、生配信のテロップなど子どもたちにとってはとっても身近なものの裏側を支えているお仕事で子どもたちも食い入るように聞いていました。普段のお仕事のことや子育てのことなどじっくり話を聞かせてもらう中で「母親としての仕事」と「外で取り組む仕事」のバランスやそこに掛ける想いも話してもらいました。また、YURITANPEさんには3回目のゲストのフードトラックの方々に来ていただく時間に動画を撮影してもらい実際に子どもの体験をプロのお仕事で編集し、子どもたちも「あっ俺や!」「今の〇〇やろ?」と臨場感のある動画鑑賞の時間を体験していました。

↓Instagramはこちらから

 https://www.instagram.com/382_ytp/

正解の無いこの人生だからこそ

 今回、僕にとっては久しぶりの小学校での授業でした。自分が教師として立っていた小学校でまたこうして授業を進める経験はとても貴重で新鮮な感覚でした。学校から離れて3年。今の仕事も少しずつ軌道に乗ってきたタイミングだからこそ感じる学校という場所のパワー。色々な環境や考えの子どもが一同に集う場所だからこそ「できること」や「やるべきこと」について自分の頭と肌で感じることが出来たのはとっても幸せでした。

 僕たち教育者が今子どもたちに伝えるべきこと。色々とあるとは思いますが、やっぱり「この世の中の素敵な部分をいっぱい感じさせること」なのでは無いかなと再確認出来ました。多様性を認める社会を作っていこうという声が至る所で叫ばれる中で、僕たち教育者が「できること」はまだまだたくさんあるなと感じました。今回はたくさんのゲストの方に二つ返事で無理なお願いを引き受けてもらいました。どのゲストの方々も「今の子どもたちのために自分たちが役に立てるなら!」という気持ちの良い言葉をいただきました。

 この仕事を通して「じゃあ、My Placeバージョンのキャリア教育はどういう風に進めようかな?」とビッグゲストと現在話が進行中です。

 これからも「子どもとその家族、そして学校の先生」に対してできることを精いっぱいしていこうと思います。

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