『気持ち』より『言葉』より『仕組み』

子育て

 僕は、やるべきことをよく忘れる。

 本気でやろうと決めていても何ヶ月も忘れることがある。何度も変えたいなと思ったり、辛い想いをしてもなかなか変えられないこともある。税金を期日までに納めること提出期限を守ること。本気で反省していてもまた『失敗』はやってくる
 こんな僕だからこそ、誰よりも実感を持ってわかるのが、「人は気持ちだけではどうにもならないもんだ。」ということである。よく何かで結果を残した人たちに対して「意志の強さの秘訣」を質問している姿を目にし、何かが上手くいかない人に対して「意志が弱い」みたいな話を耳にするが、『気持ち』でどうにかなるレベルのことは誰かの『課題』になることはほとんどない

 大切なことは、『心』の状態に左右されない『仕組み』を作ることだと僕は考えている。

1.片付けが出来た我が子の『仕組み』

 ここ数ヶ月、我が家のリビングはキレイに整えられていることが多い。
 僕のことを知っている人はよく知っている話だが、僕は片付けが出来ない。唯一出来ているのは、『共有スペースや他人のスペースは侵さないようにすること』くらいだ。
 ただ、そんな僕の住む家のリビングが毎日片付けられた状態で夜を迎えるのだ。キレイ好きの奥さんが頑張っているのか?共働きで変則的に働く彼女に休みの日以外にそんなことをしている暇は無い。小学校の低学年の2人の息子のおもちゃはきっとうちにある物の中でまぁまぁの割合を占めている。
 ではなぜ我が家が片付くようになったのか?

 これは完全に『仕組み』だ。

 まず、僕たち大人の下準備から以下のことを整えた。
①物の置き場所を正確に決める
②置き場所は、子どもでも扱いやすいようにやや余裕を持って決める
③わからないものは、迷子ボックスを決めてそこに入れる。後日、大人と一緒に置き場所を教える

 そして、毎日リビングが片付いていれば、100円を子どもたちに渡す。というルールを設定した。ただし、この使い道はお休みの日に自分たちの食べたいものをリクエストして食べに行くために使うというルールにした。
 もちろん、金で子どもを釣っている。とか、ご褒美をあげるようなものではない。という意見はあるかもしれないが、僕らの家庭が上手く回るための『仕組み』はこれが一番ハマっている。どちらにしろ子どもの食べたいものを食べることの多い我が家としては結局これによって今毎日お風呂に入る前に片付けタイムが実施されており、リビングがスッキリ片付いている。

2.筋トレが続いた僕の『仕組み』

 3日坊主どころか、何でもすぐに飽きてしまう僕は今毎日『筋トレ』をしている。今まで運動という運動から逃げ、高校3年間、唯一といって良いくらいのラグビー部の時でさえ、そこまで真面目にやっていなかった『筋トレ』を僕は毎日している。
 去年の4月1日から毎朝続けているのだ。
 これにも必ず続けるための『仕組み』が隠れている。
 僕は毎日筋トレをする訳だが、決めていることがたくさんある。
①YouTubeの検索で毎日1本だけ筋トレを行う。
頑張り過ぎないといけないものはやらない。
③決められた回数や秒数より出来なくても遠慮なく手を抜く
決まったタイミングで必ずやる。

 もう1年以上続けているが、ほんの数分の筋トレでも確実に成果は出ている。

3.ふと子どもたちの姿に目をやると…

 子どもに関わる仕事をしていると何度もお家の人から「この子は何度言っても変わらない。」「この子は人の話を聞いていない。」という相談事をよくされる。ただ、子どもたちだって人間だ。『何度も言う』が効き目のあるタイプならとっくに行動が変わっているはずだ。言われ慣れる『仕組み』があったり、聞き流しても何とかなる『仕組み』があったりするから効き目が無いのだと思う。
 それ以外にも、子どもたちが学習の計画を立てている時によく聞く言葉がある。「頑張れば出来ます!」だ。ただ、こう返す子のほとんどは結果的に出来ないことが多い
 頑張れば=気持ちが整い、環境設定がされていれば出来ますなので、この手のタイプの子は『仕組み』ではなく、『気持ち』で左右される方法を選んでいってしまっていることに『失敗』の影が見え隠れする。

 子どもを支援する時についつい『自分たちの力』『子どもの気持ち』に働きかけようとして『失敗』してしまうことが多い。
 ただ、子どもたちも人間だ。そして何よりまだまだ未熟な人間だ。邪魔が入れば気持ちは揺れるだろうし、ついつい忘れることだってたくさんある。怒られたって素直にごめんなさいと言える子ばかりでは無いだろう。
 僕たちが何より意識しなくてはいけないのは、いつも僕らは子どもの側にべったりと付いていける訳では無いということだ。励ますことも、導くことも出来ない瞬間が必ず来るということだ。そんな時に役に立つその子に合った頑張らないでも続けられる『仕組み』の数々が子どものこれからを支えるための道しるべになるのではないかなと僕は信じている。

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