通信制高校に懸ける未来

学校

 僕たち特定非営利活動法人ONE LOVEでは、島根県にある明誠高等学校という私立高校の広域通信制課程の通信制高校サポート校である西宮名塩SHIPを運営している。

 小学校教諭であった僕がなぜ小学生だけでなく、中学生の学習支援や不登校支援、通信制高校のサポート校を運営するのかということを今日は書いておこうと思います。

明誠高等学校-SHIP-【広域通信制課程サイト】| 益田永島学園
明誠高等学校-SHIP-の通信制課程のオフィシャルサイト。生徒一人ひとりと向き合う面倒見の良さが自慢の通信制高校です。本校、SHIP各校をご紹介致します。

小学校教諭としての虚しさ

 僕は小学校教諭として7年半仕事をしてきました。同じ子どもたちを担任することも多く、3年以上の付き合いになる子どもたちがたくさんいました。もちろん、全ての子どもと仲良くなれたわけでは無いと思いますし、腹の中では「もう池田はええって…」と思っている子どもたちやご家族もたくさんいたのではないかなとも感じていますが、良い関係作りが出来ていた家庭もたくさんあったのではないかと自負しています。

 僕は幸せなことに今の仕事柄たくさんの教え子に出会います。そして一番多く耳にするのが中学や高校の厳しさに対する不満です。校則やローカルルールに苦しみ、場合によっては学校に行けなくなってしまう子も少なくありません。これは何も学校や先生を責めているのではなく、僕が問題だと思っているのは、子どもたちがこの不満にどうすることも出来ない状況があるという点です。

 僕は、仕事を2回辞めています。どちらも精神的なストレスから体に不調を来たしたことからの退職です。僕たち大人は合わなければ辞めればいいという選択肢があります。「最近の若いヤツはすぐに辞めてしまう…」という声を聞くことがありますが、合わない場所で働かないという選択肢は健康な職場環境を維持する上でも僕は認められるべきだと思いますし、その上で人手が足りないなら業界や職場が見直す必要があるのではないかなと思っています。

 ある時ふと思ったことがあります。僕の目の前で屈託のない笑顔を浮かべていた子どもたちから笑顔が消えていったのは本当に、大人になって社会の厳しさを知ったからなのだろうかということをです。

Creepy Nuts / かつて天才だった俺たちへ【MV】

どんな時代になっているのか…

 昨日、僕は息子たちと共にあるコンサートに行ってきました。

すとぷり史上最大規模のドームツアー すとろべりーめもりー Vol.Next!!!! The Final! | すとぷり[公式]
すとぷり初の全国5大ドームツアー!ついにファイナル!

 僕だってわかっています。場違いだということは。ただ、本当に心の底から昨日行ったことは良かったなと思っています。

 息子たちとこのアイドルすとぷりの曲は本当にたくさん聴いてきました。一番聴いたのは2年前の緊急事態宣言で学校も保育所も行っていなかった時期です。僕は2020年の4月開業して間もない自分の仕事場を完全に閉じていました。毎日、働いてくれている奥さんの代わりに僕に出来ることは何か?僕は必死で出来ることを探しましたが、子どもたちの生活が毎日楽しくなるように過ごすことしか浮かびませんでした。毎日どこかの大きな公園へ車で向かい、そして散歩をする。その移動中に聴き続けていたのがすとぷりの歌でした。別にキラキラした恋心を揺さぶる曲には1ミリも興味は湧きませんでしたが、息子たちの熱唱する姿を見ていると嬉しくなりました。

 その後も彼らはすとぷりが大好きで、YouTubeやSpotifyでひたすら聴いていました。そして、今回の公演が抽選で販売されているのを見つけ、子どもたちに行きたいかどうか聞いたところ即答で行きたいと答えたので行ってきました。

 ただ、昨日のコンサートを見て僕は一人の教育者としての思考が止まりませんでした。僕たちはやはり今教育の重要性をもう一度見直す時期が来ているのでは無いかと確信したのです。すとぷりのメンバーは聞くところによるとSNSなどで繋がって結成されたそうです。大手のプロダクションを通して作られたわけでも無く、ライブ以外では顔も出さないそうです。でも、今彼らはドームいっぱいにファンを集めるようなアーティストとして活動していました。そして、何より昨日の彼らはむちゃくちゃ楽しそうでした。

 好きを突き詰めて、それを軸に前を向いて活動した結果がドームを埋めるという結果です。

 もちろん、彼らにも辛い過去や苦しい過去はあったでしょう?でも、好きを自分たちなりの形にしたことであれだけたくさんの応援者に囲まれる時代がもう何年も前から来ているのです。

 「社会に出たら通用しない…」

 「好きなことばかりでは…」

 「我慢することを小さなうちから覚えておかないと…」

 こうした言葉を並べて苦しんでいる中高生がたくさんいることを僕は知っています。

 「通信制高校だと大勢の人の中に入らないからコミュニケーション力が…」という言葉を僕は何度も耳にしてきました。ただ、今通学制の学校に通ってどれだけの子が本心でコミュニケーションを取れているのでしょうか?30人、40人の中で発揮されるコミュニケーション力とはきっと「黙る力」です。そして「我慢する力」です。コミュニケーション力は、僕は心理的な安心感が得られない限り、本質的に育たないと考えています。

 確かにコミュニケーション力を育てる必要性は、現代社会ではとても重要です。だからこそ、僕たちは学力も環境も性格も柔軟に対応しながらその子の前に進む力、そして笑っていられる環境を作れる場所を中高生にも作りたいと願い、通信制高校を始めたのです。

名塩ならではの悩みも…

 僕たちの住む西宮名塩という土地からは歩いて通える公立高校はありません。自転車でも通っているケースはかなり少ない土地柄です。

 よく公立の高校に通えば学費が少なくて済む。という声を聞きますが、僕たちの住む西宮名塩という土地は仮に公立高校に通っても交通費が結構掛かります。

 これは笑い話ですが、今うちで働いてくれているアルバイトの子が運転免許を合宿で取りに行ったのですが、一般的に田舎だから安いというイメージなのですが、実際は自分たちの住む場所よりもずいぶん便利な場所だったということを教えてくれました。

 毎日1時間以上電車やバスに揺られながら行く高校はよほど学びたいことや行きたい理由が無いと続かないことも大いにあるのが現実にはたくさんあるのだとも僕は教育の仕事をしていて知りました。

 勉強が苦手で授業でやったこともほとんど身に付いていない。特に楽しいこともやりたいこともない。そんな3年を仮に過ごしたとしても今は少子化です。3年後の進路だって別に無いわけではありません。僕も子育て世代ですが、僕たちは我が子がどこにも行けないことを気にして求めていないのに無理に勉強させたり、我慢させたりするよりも、つまらない生活を続けさせて、メリハリがない生活に刺激を与えず、どこにも行きたくない、何もやりたくない子を育てることの方がよほど防がないといけないことなのではないかと親としても教育者としても思っています。

来年度の入学もまだまだ間に合います!!

 僕たち明誠高等学校西宮名塩SHIPは、来年の新入生以外にも転入、編入も受け付けています。もし資料のご請求がありましたらお問い合わせフォームからも可能です。

 様々な出会いが人生を変えるきっかけになる社会です。また、どこかで縁があればいいなと思います。

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