家庭学習応援施設My Placeには、フリースクールプランというプランを用意しています。そこに通う子どもたちは現在『不登校』の状態で学校には行っていません。もちろん、理由は人によって様々なので学校に行っていない状態が安心できる子もいれば、不安に思っている子もいます。ただ、僕たちはフリースクールの活動をしている中で僕たちの役割は「不登校の子どもを学校へ復帰させることを中心課題ではないのではないか?」と考えています。こんなことを書くと、うちに通うと学校には二度と行けないのではないか?と思われそうですが、それもまた違います。
家庭学習応援施設My Placeは、開設から2年半色々な立場、環境の子どもを預かってきました。そして、開設当初から貫いてきた教育観があります。それが、「自分に矢印を向ける教育を目指す」という部分です。あくまでもその子が本気で考えた決定ならば受け止めます。応援もします。そして、本気かどうかをこちらがキャッチするヒントは『その子の行動』です。子どもの言葉はどうしても大人の言葉とは少し違いがあります。表現の間違いもたくさんあります。だからこそ、僕たちが子どもを支えるヒントにしているのは『行動』なのです。
さて、そんな僕たちが最近よく思うことの1つが「フリースクールのゴールは学校を復帰することなのか?」という部分です。僕はこれに対して終始「NO!」だと答えています。
もちろん、学校に行けない状態に苦しむ子が、フリースクールプランに所属することで元気に満ち溢れ、「学校に行きたい!」と願うのであればそれはそれで応援する気持ちは強くあります。ですが、最初からフリースクールプランを学校復帰の場所にするのはあまりにも乱暴だなと思うので、僕たちはそうはしていないということです。西宮市にはあすなろ学級という不登校の児童生徒を支援する場があります。以前はその場所は登校復帰を目指す場として作られたと聞いていますが、今はもうそうではありません。明確に『社会的自立を目指す場所』だと書いています。
そもそも公の学校に関しては義務教育の間は地域に住むどの子にも通う権利があるはずです。その学校に通うことが何らかの理由で通うことができない状態にある子を捕まえてトレーニングし、学校に登校するために努力する場所を用意するなんておかしい話です。本来変わるならば学校の仕組みが先なはずです。大人の投げ掛けが先なはずです。だから僕らは常に軸足を「ちょっとずつでもより幸せに過ごせるような成長をしよう!応援するよ!」「自分の大好きなことを探してみよう!色々な世界を見よう!応援するよ!」というところに置いています。
僕は徹底して家庭学習応援施設My Placeを塾ではなく『教育施設』と表現しています。学校に行く子も行かない子も、小学生も高校生も、特別な配慮や支援を必要とする子も、みんな同じ施設でサポートしたい。その願いを形にしたのが家庭学習応援施設My Placeなのです。
学校に通えなくなったある子たちの言葉の中に「学校に行っていないのにこんなことをしても良いのか?」というものがありました。
僕は何度も子どもたちには言っています。
学校に行って学べるのは権利があるから。
だから学校に楽しんで行けているならその子にとっては幸せなことなはずでしょ?
でも、そこに何らかの理由で通えなくなったからと言って人生を楽しむ権利まで奪い取られるのはおかしいでしょ?
教科の勉強だってもちろん大事。でも、それは学校に行かないと身につかないことではないよ。
実際に学習塾は教科の勉強を教えてくれるんでしょ?
恐らくお金を払って教科のお勉強の力を身に着けることで幸せに繋げようという考えだろうね。
じゃあ、体験的な学びや、人との繋がり、生活リズムの整え方に着目して今はその力を付けるためにMy Placeに通う君たちが自分の人生に遠慮する必要はないよ。楽しもう!!
そして、My Placeで学べることをとことん学んでいってよ。
中学生にこんなことを言っても十分理解はしてもらえないかもしれません。なぜなら大人も理解してくれないくらいのことなので、ただ、僕たちはこの方法で2年半、そしてこれからも幹は変えずに成長していくつもりです。
もしも今、学校という場の学びにSOSを発し、何か苦しい状態の子がいるならば是非一度、気軽に相談、見学に来てくれるといいなと思います。少しずつフリースクールプランも人が増え、毎日僕は楽しく生きています。今日もまたやってくる子どもたちとの生活を楽しみにこのブログを一気書きしました。
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