遊びの学び舎

教育

 今月22日(土)より共同募金の助成事業の協力により家庭学習応援施設My Placeの場所を使って『遊びの学び舎』というイベントを開催します。今日はその活動への想いを書いていこうと思います。

遊びは宿題が終わってから…で良いのか?

 宿題をさっさと終わらしてから遊びに出かける。

 ゲームは宿題を終わらせてから……

 学習>遊び???

 僕は、一般的に言われているこの構図をある時疑うようになりました。僕の勤めていた学校には「家庭学習の目安時間は学年+1×10分」という啓発を毎年行っていました。個人的にどう思うかはさておき組織の中の一人として「へぇ~~。今はそんなことまで学校が発信するんだ。」くらいに新任教員の時代に感じていたことは今でも覚えています。

 僕自身組織の人間の一人として必死に宿題をやることを子どもに求めていた時期もありました。借金の取り立てのように子どもに宿題を出すように促していたことももちろんありました。ただ、ある時ふと思ったことがあります。宿題を毎日やってこない子の方が案外クラスでは輪の中心にいたり、楽しそうに過ごしているということでした。

 そして、ある学年で一番賢いなという子の生活に興味を持ちました。その子は圧倒的に遊んでいたのです。いかにして自分の遊びを増やすために効率的に生活するかにストイックな子でした。そう言えば僕の小学校の同級生でめちゃくちゃ賢い仲良しの友だちも超進学校を目指す学習塾に毎日のように通いながらも休みの日は放課後必ず僕らと遊んでいました。

体育科教育を通して知ったこと

 僕は先輩に恵まれたこともあり、教員時代体育の授業について熱心に研究するグループに入れてもらって勉強していました。僕は子どもの時結構ぽっちゃりした体形で運動もあまりできる方ではありませんでした。なので、体育の授業は退屈な他の授業よりはマシだ、くらいにしか思っていなかったので、あまり楽しいと思ったことがありませんでした。ですが、先輩たちの考えてきた授業の話を聞くと「こんなに楽しい授業なら受けてみたかった!」と思えるような授業がたくさんありました。

 授業研究をしていると学習指導要領の中には相当たくさん『遊び』という言葉が出てくることを知りました。学校は学ぶ場所、遊びは放課後くらいの陳腐な考えでトイザらスに就職した大学3年生の僕に教えてあげたいほど学校でも『遊び』はとても重要とされているテーマだったのです。

経験が不足する子どもたち

 僕が小学6年生の担任をしている時、教室に山のようにボードゲームを置いていた時期がありました。それまで学校の中では百人一首やけん玉、オセロなどなぜか既得権益のように大きな顔をして存在するゲームを除いて遊びに使う道具はほとんど見当たりませんでした。ですが、一部の先生は私物の本を教室に並べたり、お気に入りの詩を音読させたり色々な活動をしていることから僕もボードゲームを提供するというクラスの取り組みを実施しました。

 これについては、以前出版した書籍にも詳しく書いたので是非読んで欲しいと思います。

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 この取り組みで大きな発見はやはりとことん遊んだからこそ見えてくる世界が確実にあるということです。

 僕は10年ほど子どもたちの生活に直接ふれあうことのできる仕事をしています。そこで目にする子どもたちの中には明らかに経験が不足していることで困っている子がいます。そもそもインターネットやゲームに依存的で、他の生活にエネルギーが費やせずにいる子のほとんどが、経験不足により他に楽しいものが見つからないという状態にある傾向を感じます。

 もちろん学ぶことはとても大切な営みです。ですが、勉強を嫌々やらせないといけない子にこそ、一旦置いておいて楽しいと思えるような多様な遊びを経験させることを通して元気にさせることが大切だと感じるようになったのです。

 だからこそ、僕たち特定非営利活動法人ONE LOVEは、地域教育の可能性を広げるために今回遊びの学び舎という新しい取り組みを始めることにしたのです。より多くの人に遊びを通した将来へつながる学びの可能性を感じてもらえるイベントに育てていこうと思います。

~第1回遊びの学び舎開催情報~

日時:2022年10月22日(土) 10時~12時

場所:家庭学習応援施設My Place (西宮市名塩茶園町14-3)

参加費無料

施設には駐車場がありません。お越しの際は、近隣の迷惑にならないように公共の交通機関をご利用いただくか、素早い乗り降りでの送迎にご協力ください。

JR西宮名塩の駅近隣には有料の駐車場がございます。そこから阪急バスに乗って現地へ来ることも可能です。

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