7月27日23時僕はある方の『授業』を受けた。
先日、YouTubeで対談をした宮崎で家庭教師をしている酒匂諒さんが独自で行う『大人だから楽しく学べる数学の世界』というオンライン授業だ。
彼とはこれまでも『教育』をテーマに何度も話を重ねて来た仲なので僕自身すごく楽しみだった。超難関とも言われる受験指導を繰り返してきた彼が何を語るのか楽しみでしかなかった。今日はここに勝手に授業記録をまとめようと思う。
数学って何の役に立つんですか??
彼が一番最初に話題にしたのがこのテーマだ。彼曰く一番今まで多く受けてきた質問らしい。
確かに、何の役に立つか?みたいな質問は『教育者』は本当にしょっちゅう受ける質問だと思う。
「こんなことやったって意味が無い。将来使わない。」
「別に将来分度器なんて使わないでしょ。」
こういう質問が子どもからわんさか出て来る。それだけ僕たちは今子どもたちに『教育』の『価値』をお届け出来ていないというのがよくわかる。なので昨日の話を聞いてまさに今の世の中について『問題提起』する優れた切り口だなと感じた。
ただ、これを子どもが自分の『逃げ道』として言うのは当然理解出来る。だが、問題はこの論調が子どもだけでなく大人にまで表われた世の中だから問題なのだと僕は思う。
「学校は役に立たないことばかり教えてないでもっと生きていくうちで即役に立つことを教えろ。お金のことや性のこと法律のことは生きていくうちには必須だろ!」と言っている人が山ほどいる一方で、「いや、習ったこときちんと応用すればそんなこと秒で解決できんじゃん。」という話も山ほどある。
要するに『使い道』なのだ。使うか、使わないかは本人に託されているだけなのだ。数学という学問1つで解決する世の中のことはたくさんあるのに、その『知恵』を渡されているはずの『人』がその可能性を閉じていることがめちゃくちゃあると彼は話していた。
全ては人間の欲求を叶えるために
そもそも学問のスタートは全て『人間』の叶えたい『欲求』からスタートする。
「宇宙までは行けないんだけどあの太陽から地球までの距離ってどのくらいなの?」
「本当は丸い形の地球なんだけど持ち歩きたいし、紙の上に表わせないかしら?」
こうした『人間』の「やりたい!」から『学び』が深まるというのは人類の発展の歴史なのだ。
つまり、僕たちは何かを解決するための『道具』を得るために『学ぶ』わけであって、使う気の無い人間が山のように『道具』だけ背負っていったって立派なことでも、素敵なことでも無いわけだ。もちろん、あとあと繋がって「あっこれってこういうことか!!」と閃くことはあっても、数学という眼鏡をかける気も無い人には、この世の中がハッキリと見えることは無いのである。
『人生』の難易度は勝手に上がる
そういう意味では僕たちの生きる世の中はどんどん便利になるわけで「役に立ちそうなこと」や「解決したいこと」なんてことはどんどん減っていくに決まっている。時間を無作為にむさぼる『エンターテイメント』だって増えていくので、使える時間の『量』も減ってくるわけだ。
実を言うと、僕は『好きなこと』をとことんやる。無いなら『好きなこと』を見つけるための『時間と環境』を確保することこそが今の子どもたちに必要なことなのでは無いか?という想いで、自分の施設を作ったのだ。
学校で働いていると「勉強の出来る出来ない」なんかよりも子どもによって『無気力』『無関心』が目立つようになってきた。不便な時代ならどうにかして『知恵と工夫』で自分たちの欲望を叶えようとしていたことが、少しのお金で、下手すると無料でほとんどのことが解決するのでそりゃ一見すると『没頭』しなくても問題が無さそうなのである。ほとんどのことが少しの『お金』で解決するのが現代社会だ。
ただ、日本は人口減少国である。大人も含めて今後何十年も働く者は『稼ぐ力』をキープできるように意識しておかないとあっという間に『貧困』と隣り合わせの国なのだ。
時々、「お金が無い。お金が無い。」と話している大人と話したりするが、意外と携帯代が異常に高かったり、無駄な定期購入を理由を付けてしていたりだとか、支出を減らす工夫や知識を得ようともしていない人がいる。世の中インターネットがあればほとんどのことが無料で解決出来る。なのに、面倒だからと『お金』を使う選択肢しか持たずに色々なことを諦める人は少なくない。
一見すると「解決したいこと」の見つかりにくい世の中で僕たちは何を考えるべきか。
「やる気の出ないこと」を常に見直し、「没頭できる自分」をキープし続けることが僕の一旦の考えである。通信制高校を始めた理由もこの辺りが深く関係しているのでまた書くことにしたい。
だからこそ思考体力、だからこそ数学
これは以前YouTubeでの対談でも教えてくれていたので是非興味のある方は見て欲しいのだが、彼はこんな世の中だからこそ子どもたちにも大人にも『思考体力』のある人になって欲しいというのだ。
- 自己駆動力
- 多段思考力
- 疑い力
- 大局力
- 場合分け
- ジャンプ力
この『思考体力』は先の見えない世の中で自分に力を付けるためには必須のスキルだと言えそうだ。そして、その6つの力を効率良く鍛えてくれるのが『数学』なのだと彼は言う。
酒匂先生の『授業』はこれからも続く。酒匂先生にしか出来ない授業は確かにある。だけど、酒匂先生から学んだことを身近な人に橋渡しをするくらいなら僕らにもいくらでも出来る。興味のある方は是非下のリンクで彼の取り組みを応援する気持ちを持って一緒に参加してみて欲しい。
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