学校ってやっぱり面白い!

学校

 今、僕たち特定非営利活動法人ONE LOVEでは、近隣の小学校西宮市立名塩小学校の4年生の先生からの依頼を受けて『キャリア教育』の授業作りのお手伝いをしています。週が明けたらいよいよ実際の授業に入らせてもらうのですが、これまでのやり取りを経て、「あぁ、やっぱり学校って可能性の塊みたいな場所だなぁ。面白い!!」という風に感じています。

 まだ、授業自体は終わっていないので詳しくは書けないのですが、今回の取り組みは今後のうちの法人の活動にも大きく影響のある活動だと思うので書き残しておきたいなと思い、少し書いてみようと思います。

ある日先生から

 1学期のある日、僕は小学校へ息子のPTAの役員のお仕事で小学校へ行っていました。打ち合わせが終わったあと息子の担任から声が掛かりました。

「池田さん、少しお話がありまして……」

(おや、息子さん何かやらかしたか……苦笑)

「実は……」

 と不安そうな顔で先生たちは自分たちの構想している総合的な学習の話をしてくれました。1学期の始めは、インターネットや資料を使ったお仕事調べを進めているようなのですが、その次の段階で誰か実際に働く人の声を聞ける機会を設けたいとのことでした。授業を作りたいならいくらでも自分たちで作ればよいのですが、そこは僕の性格上できません。笑 わざわざ声を掛けてくれた人の気持ちは無駄にはしたくありません。

 ただ、ここも難しいところで先生たちがやりたいことがつまらないことなら僕も協力する気は出ません。

 ですが、話を聞けば、結構自由度の高い授業作りをするっぽい雰囲気で聞こえてきました。

 僕は結構学校で働いていた時から自由に授業作りさせてもらってきました。近所の名塩トンネルができた時も「あの作りかけのトンネル見れたら面白そうじゃない??」という流れから、急いで動いて開通前のトンネル見学の授業を組んだこともありました。

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キャリア教育って何だっけ??

 ただ、依頼があった時に気になったのは以下のポイントでした。

  • そもそも学校の先生たちがしたいことは何か?
  • キャリア教育の趣旨と僕らがやろうとすることは一致しているか?
  • どの子にとっても価値を生む活動になり得るか?

 とまぁこんなことを頭に浮かべて、キャリア教育についてあれこれ調べていきました。もちろん、こういったことを調べる時には文部科学省の発信しているものを一度追いかけます。そこで確認した要素が以下の点でした。めちゃくちゃザックリ書くので誤解を招くかもしれませんし、専門家にとっては浅すぎだ!と言われちゃうかもしれませんが。

  • キャリア教育はお仕事体験学習ではない
  • 日本の様々な社会情勢(人口減少や雇用慣行の変化)や子どもの現状(学力自体は決して低くも無いのに意欲が低い傾向が見られる)を解決するためのアクションである
  • キャリアパスポートなど「これをやってりゃいいんでしょ。」というやらされ学習はすごく危険だということ

 こんなことを確認した上で、学校に社会で働くゲストを呼び込む意味を再度考えてみました。

仕事から人・社会へ

 僕自身もずっと違和感があったことがあります。

 日本全体の昔からの文化として「将来どんな仕事に就きたい?」という質問をする文化があります。小学生、もっと言えば就学前の子どもにもそういう質問を投げかける文化があります。もちろん、そういう質問がいけないという訳ではないのですが、それを強制的に答えなければならない場を作ることには疑問がありました。

 これは僕の完全な個人的な感想ですが、こうした『仕事』『仕事』という固め方をする文化の中にいると何らかの理由で働けないことやお金を稼ぐ仕事に就いていない場合、「自分の価値」を見いだせないような空気を感じてしまわないかな?という気持ちがあります。それに家庭環境でこの仕事に就くしか仕方がないという子もいるだろうし、体調や自分の就きたい仕事に就けないことがダメなことだと感じる子が出てきても良くないなと思うところがあります。

 それよりもイメージのしやすい『仕事』というフィルターを通して子どもたちには「大人って楽しそう!」「世の中って楽しそう!」「働くって楽しそう!」というわくわくした気持ちを育てるきっかけを提供したいと感じてゲスト探しや授業作りのお手伝いをすることにしました。

 僕自身、子どもの頃から受けてきた「教育」のメッセージは「努力して、成長して、立派な大人になるんだ!社会は厳しいぞ!そんなことじゃやってけないぞ!」というものだったように感じています。でも、バイトをやってもすぐ辞めちゃうし、スポーツをやってもすぐケガするし、倒れるし、努力しようとしたってすぐに諦めてしまう、そんな人間でした。がむしゃらにやっても自分のことすらあまりわからずいつも周りに迷惑を掛けてきた僕が本当の意味で自由に泳ぎ出せるようになったのは、社会人になってからです。誤解が無いように言いますが、僕の親は今まで何も強制してきたことはありません。そんな親から育っても僕が学校教育から受け取ったメッセージはそれでした。

 もしかすると教師だった僕もその発信者の一人になっていたかもしれません。

 でも、僕ら大人が子どもたち、若者に教えてやらないといけないメッセージは、「ゲームやSNSも確かに面白い。でもね、そこに現実世界を掛け算してみなよ。画面の中の世界を越えた楽しさが溢れたわくわくした世界が待ってるんだぜ。」というメッセージなのではないでしょうか?

 今回見えてきたものの1つは、「僕たちNPO法人のフットワークと学校教育の融合の可能性」です。これからも学校の先生からのわくわくしたお誘いがあれば積極的に協力したいと思います。特別支援教育や体育科教育、総合学習などとことん自由にやってきた結果得た力はそれなりにあると自負しています。もし、これを読んだ学校関係者の方で「うちと面白い授業作ろうぜ!」という声がありましたら全力で協力するのでご連絡をお待ちしております。

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